星と宇宙と内部探索

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聖十二夜🌟クリスマス第一夜🎄

今日はクリスマスですね。

日本では昨夜のイブがリア充のためのイベントに変換されておりますね。かたや「クリぼっち」という言葉まで出回るほどの強迫観念的イベントになってしまった日本のクリスマス…いえクリスマスイブでございます。

 

下のリンクは面白すぎたので貼っちゃいました。面白いよね、世界でもダントツセックスレスの国民と言われる日本人は、異国の宗教の祖が生まれたと言われる🌃が一番セックスする日なんて!日本のラブはどーなってんの? 

matome.naver.jp

 

クリスマスイブ、本来はキリスト教で言うところの「救い主」がお生まれになるという象徴的に素晴らしい夜を表しています。だからクリスマスの朝は賜り物(=救い主という天からのギフト)を皆で分かち合うんだよね、きっと。

この世を救ってくださるという方がお生まれになるというのに、世界中の殆ど誰もこの事実を知りません。最初にそれを知ったのは羊飼いたち。天使の大群がやって来て教えてくれます。それから東方の三賢者と呼ばれる異教徒の占星学者とも言われています。彼らはベツレヘムの星に導かれて、王への捧げ物を持って(謁見とも言えるでしょうか)馬小屋まで訪れます。

 

私はキリスト教徒ではないので、 あまり自信満々に書けないのですが、先日書いた冬至の話といい、三賢者が占星学者であった(あくまでも説だけど)話といい、そこここに散りばめられたモチーフがステキで、キリスト聖誕の話はすごく好きです。

キリスト教系の幼稚園でも、お遊戯会ではなく聖誕節がクリスマスのメインイベントだし、子どもたちに最初に教えるのは「イエス様がお生まれになった=あなたたちは神さまに愛されている」という事。すごい論理だなとも思うけど、信仰としてはすごく正しいんだろうなぁ。

暗い静かな中での大きな大きな慶びごと。だから西欧では(他の国についてはあまり良く知らないし、最近の若者の傾向も知らないんだけど)デフォルトは家族で過ごすとか華美でなく静かなイメージ。暗闇の中で光が訪れる事を静かに待っている、そんな感じ。

日本のクリスマスは、頭では分かっているけど商業主義の匂いがプンプンし過ぎ。信仰という事を考えると、みんなで「メリクリ〜🎉🍷🎂🎅🎄」って言いながらもそれが土足で踏みにじってしまっている気がして、居心地悪いのがなかなかなくなりません。いや、祝祭気分についてはダメだとは思わないんだけどね。

 

私は長年アマチュア合唱団で歌っていたのですが(今は歌ってません)、そこでオラトリオと呼ばれるジャンルの宗教曲に出会い、キリスト教の世界に少しずつ触れるようになりました。かの有名なヨハン=セパスチャン=バッハが残したオラトリオ作品は大曲(=とても長くて、一番長いのは3時間超え←オペラか!)ばかりですが、名曲の宝箱のようなもの。特にいつもハーモニーしかやらせてもらえない宿命のアルトパートにとっては、すべてのパートに珠玉の旋律を与えてくれる(むろんそれだけではない)バッハは、誰もが虜になるのも頷けます。ソロ曲(アリア)も素晴らしいです。特にアルト!!!

その中の一作品「クリスマス・オラトリオ」(略して「クリ・オラ」←日本人は省略するのが好きだからねw)は、とにかく全能的とも言える幸福感に満ち溢れていて、最初は長編宗教曲なんてムリ!と思っていた私に素晴らしく新しい世界への扉を開けてくれました。

全部で6部からなるこの作品は、上に書いたキリスト生誕のお話をメインに綴っているのですが、とにかく金管を多用していて明るい!祝祭ムード満点🌟聴いていても飽きる事も眠くなる事もありません(笑)。しかも他の曲で使った曲で構成されている(=パロディ)という…使い回しなんかw!そしてさすが教会付きの音楽家(バッハがね)、12月25日から教会暦に則って1部ずつ1月6日まで演奏します。初演がそうだったからかどうかは分かりませんが、今でもドイツではクリスマスオラトリオは教会でそうやって演奏されるみたいです。

 

それと、これはシュタイナー教育の先生から教えてもらった話なのですが、そのクリスマス当日から1月6日(の朝)までを十二夜と言って、一年のうちで霊的経験が最も深くなるのだそうです。 そう言えば確か昔話の川手先生もそんなお話をされていた様な。

十二夜といえばシェイクスピアですが、全然それっぽい話じゃない。ウィキを見るとクリスマスシーズンの上演のために書かれたとかいないとか。へぇ〜。

そう言えば、クリスマス・オラトリオも1月6日までの演奏です。1月6日を顕現節とし(すみません、聞きかじりであまり詳しくないです)この日が一連のクリスマスの最後の日とか。あぁ、だからクリオネクリオラも1月6日まで演奏するのか!とそれを知った時ものすごく感動しました。よく考えれば難しいことじゃないんだけど。自分の中で別々の箱に入っていた何かと何かが突然腑に落ちる時の感動ってありますよね。

で、この十二晩かけて見る夢が来年のそれぞれの月の事を表しているのだとか。ですので今夜25日の夜に見た夢が1月にあたります。聖十二夜の正夢というところでしょうか。あまり知られていないのか、ググってみても殆ど出て来ません。他ではそういう事は言われていないのかな?エソテリックすぎるのか、はたまた単に一部でだけそう言われているだけなのか?でもこのお話もとても心にフィットして大好きなのです。

私は毎回挑戦するのですけど毎回挫折。とほほ。さぁ来年はどんな年かな。

 

という訳で、クリスマス・オラトリオ第1部(降誕節第1祝日用)。

歌詞はこちらがありがたく。

アルトは名カウンターテナーのMichael Chance (Mr.です)。女性アルトも素晴らしいのだけど、カウンターテナーは何とも言えない音色です。昔は合唱団も男性だけで構成されていたそうで、ソプラノは子ども、アルトは男性パートだったそうです。Alto=高いというのは男性にとっての高音域という訳なのね。去勢されたカストラートという存在もいたでしょうが、今は普通に音楽学校の古楽専門で選択できるらしいよ。


J. S. Bach: Christmas Oratorio (BWV 248), part one (Pickett)

 

こちらは女性アルト。彼女も素晴らしいです。

ヨーロッパのアルトは既に性別不明(声が)だなぁ。

おや?と思ったんだけど、最初のコーラス私が知ってる歌詞とちょっと違う?


Bach: Weihnachtsoratorium BWV 248 - Cantate no.1 - Combattimento Consort Amsterdam - Live

 

他にも色々あったけど、画像が古すぎてマニア向けすぎるのとか(名演です)、全曲入っていて長すぎるとか(お楽しみが減る)なので、上手い事見つけられたのだけ貼っときます。かなりお上手な演奏ばかり。

出来れば現代の楽器でなく古楽器の演奏で聴くと、これまたちょっとひなびた感じの音が何とも言えません。子どもが歌うのも本当に素晴らしいですし、プロばかりでなく普通の一般市民が歌う演奏も大好きです。