星と宇宙と内部探索

Visit the interior of the Earth.

巡り巡ってそれで良かったという話

気持ちはあるのに思う様に行かない、なぜかグズグズと後回しにしてしまう。

そういう事ってありますね。

あぁ自分はダメなやつだ、と自分自身を評価したり、人から信頼できない人と思われるだろうなぁと思ったり。

 

上手く行かない時は「今じゃない」というサインだという考え方があります。

だからこそ、逆に上手く流れに乗れる時にちゃんと乗るのが良い、とも。

それはつまり、占星術を営む人間がホロスコープ、しいては宇宙が織りなす時の綾の不思議さを絶対的に信頼している(=だからチャートを読む事が出来る)のと同じで、宇宙(または神という名であったり)の意図、あるいは物事は全て上手くいく様になっているという考え方がベースにあって初めて信頼出来る事でもあります。

 

いつもいつも全幅の信頼を置く事が出来る人は最強に幸せなのかもしれません。

もしそうでなくても、時折あぁそうだな、と思える事があるとクスッと嬉しくなりますね。今日はそんなお話です。

 

先日父の三回忌で実家に帰りました。実際に父が亡くなったのは2年前の春でした。

父は農家の生まれで当然兄弟がそこそこ多く、その末っ子でした。兄弟ももう姉が2人生きているだけ、しかも年齢も年齢で足腰も弱っているからと、その子どもの代(つまり私の従兄弟たち)が全ての法要に駆けつけてくれました。兄弟の年齢差がある為か、一番上の従兄弟と一番下である弟との年の差は何と19歳!やはり長男が集まるので、おっさんばかりの従兄弟会です。

 

それは余談として。

父の葬儀の際に、写真から作成したスライドショーが会場で上映されていました。その写真の中に、父の幼少期に家族で撮った写真と、中年になってから兄弟で撮った写真がありました。それを見た従兄弟のお兄ちゃんが「これエエなぁ、皆きっと欲しがるぞ」と言い、実際皆それを見てとても喜んでいたので、私が写真を皆さんにあげる約束をしました。

今どきですから、最初は写真のデータを送ってあげれば良いだろうと気軽に引き受けたのですが、聞いてみるとお兄ちゃんはパソコンがダメダメ(えぇ〜っ!)。一緒に来ている面々はさらに年上で、ダメダメ。

では写真をCDに焼いてあげようかと思ったのですが、我が家にあるPCはかなり古くてCDの挿入部分が壊れています。印刷しようと思っても、写真用のプリンターがもう古すぎ。しかもインクを買わないとダメで、15枚位印刷するにはちょっともったいない…そもそも使えるかどうかもわからない状態で。現行のプリンターは印刷が雑になり始めていて、とてもじゃないけど写真印刷には向きません。新しいプリンターも欲しいけど、ダンナが首を縦に振らない。写真だけの為に買いましょうとも強く言えず。UBSも使っていなかったので、写真屋さんに持って行くのもすぐに出来ず。出来ない理由ばかりが前に出て、なんとなーく先送りにしたまま、皆に会う度にごめんなさいと謝り続けて2年が過ぎました。

  

その間に、私が現愛用機のMacを買い、最近とうとうウチにWi-Fi仕様のプリンターがやって来て、私も使える様になり。気がついたら明日は三回忌!という日になりました。

突然「あ、今なら写真印刷出来る💡」と気付いた私は、猛然と(←大げさw)写真を印刷しました。丁度お試し用にもらったらしい写真用紙もあって、ほんっとうに嘘みたいにすんなり。一家庭ずつ封筒に分けて、三回忌当日には皆さんにお渡し出来、本当にホッとしたなぁ。

すると突然、控え室でのんびりしていた母が「あっ!遺影を忘れた!!!」と真っ青な顔になりました。そう言えば、家を出る前にも母が「何か大事な物を忘れている気がする…」と言っていたっけ。

毎回私が実家に泊まるので、母は私と息子の事に気を取られて忘れてしまったんだ、私が気をつけていないとならないはずなのに…これは私の過ちだと思いました。でも、いきなり弟が迎えに来る時刻が30分早くなった上に、少し早めに到着して外で待っている。よく気がつく弟が中に入っていたら気づいたかも?私は自分の準備でてんてこ舞い。いつもだったらゆっくり1つずつ一緒に確認出来るけど、そんな余裕はありませんでした。母本人は、しばらく覚えていたのに、数日前からすっかり頭の中から抜けていたそうです。あー、結局打つ手なしか、ガックシ。

もしかしたらスマホの中に何か良い写真があるかもしれない、と探してみましたがありません。あーあ、ダメだぁと諦めかけた時、従兄弟達に渡した写真の中に父の若い頃の白黒写真があった事を思い出しました!それは今も生きている父の姉2人(父の事をとても可愛がっていたのです)がきっと喜ぶだろうと差し上げる為に印刷した写真でした。

L版なので小さいのですが、白黒なので白一色の会場にもピッタリです。海辺で撮った漁師の様な格好をした写真なのですが、大変若々しく、ちょっとした映画俳優の様な雰囲気の写真なのです。早速写真立てに入れてもらい事なきを得ました。

 

あー良かった!とホッとしたと同時に、今まで全く差し上げる写真が用意出来なかったのに、いきなりスイスイ出来ちゃったという事の意味がここで集結した様な気がしました。伏線回収です。あぁここで使う為に今まで準備出来なかったのか、と。

やっぱり自分は不精だなぁ、皆の為にすぐに動けなくてケチケチ精神だなぁとか腑甲斐なく思っていたのですが(一応思ってはいるし、忘れてない)、何だかスッキリしました。父の遺影は、私が父が亡くなった事を聞いて急遽PCから探して来た物で、惚れ惚れする程素晴らしい表情をしています。皆、特に母は今でもとても喜んでくれるので、何だか誇らしい気分にさえなります。

その写真、何と父が倒れて入院した際に、お見舞いに行った時に皆で撮った写真なのです。後は横向きだったり目をつぶっていたり、お酒を飲んで真っ赤な顔をしていたりして使えず。まさか入院中の写真が遺影になるとは父も思ってもみなかったのではないでしょうか。

そんな写真を提供した私が、またもや三回忌の写真を提供(実際には実家にあった写真ですが)する事になったのも、父の希望の様な気がしてしまいます。ふふふ、ちょっとお茶目な父。